こんにちは。ワタナベミエです。
はじめて銀行に融資を申し込むとき、「何を見られているのか分からない」と不安に思う経営者の方は少なくありません。銀行は決算書や数字だけでなく、会社や経営者の人柄・計画まで多角的にチェックしています。
この記事では、初めて融資を受けたい経営者向けに、銀行が融資審査で重視するポイントを分かりやすく解説します。
融資金の使いみちを明確にする
最初に確認されるのは「借りたお金を何に使うのか」です。使いみちが明確でなければ、返済のイメージも立ちません。
例えば、運転資金であれば「仕入れ → 売上 → 返済」という流れになります。設備資金であれば「設備投資 → 生産効率アップ → 利益増加 → 返済」と考えます。目的と返済のつながりが合理的であることが大切です。
設備資金を申請しながら実際は運転資金に充てる、といった“目的違い”があると審査は厳しくなります。銀行は資金の流用リスクを非常に警戒しているからです。
会社の概要と経営者の経歴
次に見られるのは「会社そのものが信用できるか」です。チェックされるのは以下のような点です。
- 代表者や役員の経歴:どんな人物が経営しているか。
- 過去の倒産や事故歴:過去に金融事故がないか。
- 反社会的勢力との関係:社会的信用を損なうリスクがないか。
- 実質的な経営者の有無:名義上の代表者ではなく、裏で実権を握る人物がいないか。
とくに「実質経営者」が過去に金融トラブルを抱えているケースは要注意です。返済リスクや行方不明といった問題に発展する可能性があるため、銀行は細かく確認します。
決算内容と財務の健全性
通常、過去3期分の決算書を提出する必要があります。主なチェックポイントは以下です。
- 貸借対照表:債務超過の有無、資産の健全性(売掛金や在庫が実際に回収・換金できるか)。
- 損益計算書:営業利益・経常利益が赤字の場合、その原因や改善見込み。
また、代表者貸付金が多額に計上されていると「会社のお金が私的に流用されている」と見られるため、注意が必要です。
経営者とのコミュニケーション
数字だけでは伝わらない部分を確認するため、銀行は経営者との面談を重視します。その際には追加で以下の資料を求められることもあります。
- 最新の試算表
- 借入金の明細
- 資金繰り表
資料の提出が遅れたり不正確だと「隠し事があるのでは?」と疑念を持たれます。誠実で迅速な対応が信頼につながります。
事業計画書の提出
初めて融資を申し込む場合、事業計画書はほぼ必須です。完璧なものではなくても構いませんが、少なくとも「どんな売上を見込んでいるか」「どう改善していくか」のビジョンを示しましょう。
たとえ赤字決算でも「事業改善計画」があれば、融資が通る可能性は十分にあります。
保証や担保の確認
財務内容だけでは返済力に不安がある場合、銀行は次のような補完策を検討します。
- 連帯保証人:代表者の資産背景を確認。
- 担保:不動産や金融資産の提供によるリスク軽減。
最後に
銀行の融資審査は「信頼」と「透明性」がカギです。書類の数字だけではなく、経営者の誠実さや計画性も評価されます。
初めての融資こそ、丁寧に準備して正直に伝えることが大切です。それが、銀行との長期的な信頼関係づくりにつながります。
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