こんにちは。
ワタナベミエです。
今回の記事は銀行員は転職に有利か?という内容です。
私が今まで見てきた、銀行を辞めた人たちの実際の事例も交えて解説します。
結論:銀行員だからといって転職に有利とは限らない
銀行員は「安定した職業」というイメージから、他業界でも歓迎されやすいと思われがちです。しかし、実際には銀行内部の評価が外部では通用せず、転職が有利になるとは限りません。むしろ「銀行にいたからこそ評価された人材」と見られ、他業界ではスキル不足を露呈してしまうケースも少なくありません。
ではなぜそうなるのか、銀行員の離職率データや、実際に銀行を辞めた人たちの事例を交えて解説します。
銀行・金融業界の3年以内離職率(厚労省公表値)
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」によると、就職後3年以内の離職率は 大卒:32.3%、高卒:37.0%です。業種別では 金融業・保険業(大卒):26.3%と、全体平均よりやや低い水準です。
区分 | 3年以内離職率 | 備考 |
---|---|---|
全産業平均(大卒) | 32.3% | 令和2年卒(3年目時点) |
金融・保険業(大卒) | 26.3% | 同上(業種別) |
全産業平均(高卒) | 37.0% | 令和2年卒(3年目時点) |
金融・保険業(高卒) | 31.7% | 同上(業種別) |
※各値は小数点第2位四捨五入。集計は「令和5年6月時点で把握した3年以内離職率」。年度により定義や集計方法が更新される場合があります。
業種別の大卒離職率26.3%は全体平均(大卒32.3%)と比べるとやや低めですが、それでも4人に1人以上が3年以内に離職していることになります。
新卒で採用しても5年以内に半分くらいの人が辞めてしまうという指摘もあります。
銀行は給料水準が高いため粘る人が多い一方、精神的ストレスや将来性への不安から辞めていく人も一定数いるのが現実です。
年齢別・銀行員が辞める理由
銀行員の離職理由は年齢によって傾向が異なります。
- 20代〜30代半ば
- 仕事に馴染めない
- 将来性を感じられない
- 同期との出世競争で劣等感
- ノルマや転勤への嫌悪感
- 担当先の会社社長に気に入られて転職
- 実家の稼業を継ぐ
- 40代以上
- 転勤疲れ・本部勤務のマンネリ化
- 成果プレッシャーの蓄積
- 親の介護
- 独身で貯蓄があり「ストレスのない仕事」へ転職
- 財務が良好な会社の求人に自ら応募
実際にあった転職事例
銀行員だからといって転職がうまくいくとは限りません。
ある30代半ばの男性は、本部経験を活かして国の機関に転職を希望。
しかし面接で「あなたは銀行にいたから活躍できたのでは?」と問いかけられ、最終的に正社員ではなく**契約社員(年収も上がらず)**で転職することに。
銀行内部で評価されても、外の世界では「スキル不足」と判断されてしまう厳しさが浮き彫りになりました。
一方で、担当先の社長に引き抜かれ、その後役員・社長へと成功したケースもあります。ただし裏では相応の苦労があり、誰にでもできる道ではありません。
転職後の「ギャップ」に苦しむ人も
銀行員は中小企業と比べれば高給かつホワイト寄りの環境です。命の危険がある仕事ではなく、事務的なルーティンも多いため「安心感」があるのが実態。
そのため「自分は銀行で出世したからどこでも通用する」と思い転職したものの、実際は中小企業の厳しさに耐えられず、体調を崩して入院してしまった人もいました。
就業規則が整っていない会社や、何でもやらされる環境に適応できないケースは少なくありません。
銀行員の転職成功の条件とは?
では、銀行員が転職で成功するためには何が必要でしょうか?
- 銀行以外でも通用するスキルを磨くこと(財務分析・ITリテラシー・マネジメントなど)
- 人脈を活かしたキャリアチェンジ(担当先企業からのオファーなど)
- 転職理由を明確に伝えること(「銀行が嫌だから」ではなく「この分野で挑戦したい」)
まとめ:銀行員の転職は「有利」ではなく「戦略次第」
結論として、銀行員だからといって転職が有利になるとは限りません。むしろ「銀行にいたからこそ通用した人材」と見られるリスクもあります。
ただし、スキルや人脈を活かせれば成功するチャンスは十分あります。大切なのは「銀行員ブランド」に依存せず、自分の力を証明できるかどうかだと思います。
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