「うちの会社はどれくらい借りても大丈夫なんだろう?」
そう悩む経営者は少なくありません。
銀行が貸してくれる=安全というわけではなく、
借りすぎれば黒字でも倒産しかねない――。
今回は、実際の現場で見た「借りすぎが招く崩壊シナリオ」と、
適正に借りるために社長が今できる対策を解説します。
借入比率とは?“安全ライン”だけでは見えない落とし穴
借入比率とは、総資産に対する借入金の割合のこと。
一般的には「50%が目安」と言われますが、実務ではこの数値だけでは判断できません。
なぜなら、業種・利益率・資金回転のスピードによって、
同じ借入額でも“重さ”がまったく異なるからです。
もうひとつの考え方として、借入金の残高が月商(月間売上高)の、
何か月分に相当するかを示す指標もあります。
借金を月々の売上でどれくらいの期間で返済できるのかを表すものです。
業種によって異なりますが、一般的に3~6倍程度が適正な水準と言われることが多いです。
📘 知識編:
借入比率の安全ラインとは?業種別の目安と考え方
たとえば、設備投資の多い製造業では借入比率60%でも耐えられる一方、
現金商売の業種が同じ水準まで借りれば、返済資金がすぐに尽きます。
「借入比率が低いから安心」とは言えないのです。
借りすぎが招く「3つの崩壊パターン」
① 利益が出ているのに資金ショートする
「黒字倒産」の典型です。
利益を設備投資や在庫に回しすぎて、手元資金が枯れるパターン。
特に返済額が利益を上回ると、キャッシュが尽きるのはあっという間です。
② 返済期の集中・金利上昇で資金繰りが破綻
複数の融資を同時に組むと、返済期が重なり“元金返済の山”が来ます。
借入額が大きいほど金利上昇の影響も重く、わずか0.5%の上昇で年間数十万円単位の負担増になることも。
③ “借りて返す”を繰り返して信用を失う
一時的な資金不足を埋めるために、短期借入でつなぐ──。
これが習慣化すると、銀行は「自転車操業」と判断します。
「資金繰りが危ない」と見られ、追加融資が止まる悪循環に。
💡ポイント:借入の多さよりも大事なのは、“返済原資が見えているか”どうか。
銀行はキャッシュフローで返せるかを最重視します。
🧾 実例編:
借りすぎた末路|「借りられたけど返せなかった」会社の顛末
経営者ができる「3つの対策」
- 資金繰り表を毎月更新し、半年先のキャッシュを見える化する
- 返済を続けながらも、余剰資金は繰上げ返済ではなく“緊急資金”として確保する
- 「借入の根拠」を自分の言葉で説明できるようにする(=銀行対応力UP)
借入は悪ではありません。
ただし、経営者が“数字の流れ”を把握していない借入は危険です。
「お金を借りて回す」ではなく、「資金繰りを見える化してお金を回す」。
それが、健全な資金繰りの第一歩です。
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