「TOPIXなんてダメ!」 支店長の一言に学ぶ、長期投資の基本

資産運用

こんにちは。

ワタナベミエです。

今回の記事はiDeCo(個人型確定拠出年金)の積立投資で「日経平均」「TOPIX」のどちらに投資したらいいのか?というお話です。

簡単に説明すると、「日経平均」は日本を代表する225銘柄の平均株価を示す指標で、株価の高い企業の影響を受けやすいといった特徴があります。一方、「TOPIX」は東証プライム市場の全銘柄の時価総額をもとに算出する、日本株式市場全体の動きを表す指標です。
この2つは日本を代表する2大株価指数です。

「TOPIXなんてダメ」 支店長の一言

「TOPIXなんてダメだよ。日経平均のほうが伸びるに決まってる」
ある日、支店長が休憩室でこう言いました。
しかも満面の笑みで、得意げに。

私は思わず「え?」と聞き返しそうになりました。
この発言、投資の基本を知っている人なら違和感を覚えるはずです。


日経平均とTOPIXの違い

  • 日経平均
     225銘柄の株価平均型指数。一部の株価の高い銘柄(例:ファーストリテイリング、東京エレクトロン)の影響が非常に大きい。
     → 好調時は伸びやすいが、逆にその銘柄が不調になると指数全体が大きく下がることも。
  • TOPIX
     東証プライム上場全銘柄(1,625社 2025年6月時点)を時価総額加重型で算出。
     → 幅広い業種に分散され、市場全体の動きを反映しやすい。

【日経平均とTOPIXの比較】
項目 日経平均株価 TOPIX
構成銘柄数 225銘柄 約1,625銘柄(東証プライム全体)
銘柄選定基準 流動性や業種バランスを考慮しつつ、代表的な企業を選出 東証プライムの全上場企業
計算方法 「株価平均型」=株価の高い銘柄の影響が大きい(例:ファーストリテイリング、東京エレクトロン) 「時価総額加重型」=時価総額の大きい企業の影響が大きい(より分散されやすい)
業種偏り 特定企業・業種(ハイテク、消費関連)の影響が大きい 全業種を網羅しやすい
値動きの傾向 上下動が比較的大きい(ボラティリティ高め) 市場全体の動きを反映(安定性やや高め)

iDeCoの積立投資での観点

  • 分散性
    ・日経平均は225銘柄に限られ、株価の高い数社の影響が強い。
    ・TOPIXの方が構成銘柄が多く、業種分散も効くため、長期積立では安定しやすい。
  • 成長性
    ・日経平均は大型成長株(例: ユニクロ、半導体関連)の比重が高く、好調時は伸びやすいが、逆に下落時のダメージも大きい。
    ・TOPIXは市場全体の成長に連動しやすく、極端な値動きはやや抑えられる。
  • 長期の成績(過去の傾向)
    ・過去20年程度では、TOPIXより日経平均の方がパフォーマンスが良かった時期もあるが、それは一部の大型株の好調によるもの。
    ・有望銘柄に集中したい人は日経平均、広く分散したい人はTOPIXというイメージ。

iDeCoは短距離走ではない

iDeCo(個人型確定拠出年金)は20〜30年という長期投資が前提です。
短期の値動きや直近の成績だけで投資対象を選ぶのは、マラソンの途中で「今日速かったから明日から短距離選手に転向する」と言うようなもの。
安定性と分散こそが長期運用の土台です。


支店長がこう言う理由

支店長を責めるつもりはありませんが、こうした発言は銀行の営業現場では珍しくありません。

  • 「最近伸びている=これからも伸びる」という短期発想
  • お客さまに説明しやすい派手な数字を好む
  • 長期投資の理論より営業成績や目先の数字が優先されがち

つまり、販売トーク寄りの考え方です。
皮肉なことに、こういう人が「お客さまの将来のために」と言いながら商品を勧めているのが銀行の現実です。


投資家としてどう考えるか

長期投資では、派手なリターンよりも「安定して市場全体の成長を取り込むこと」が大切。
日経平均が悪いわけではありませんが、「TOPIXはダメ」と断言するのは、指数の仕組みやリスク分散を軽視した意見です。

私の結論はこうです。

支店長の一言は、TOPIXの良さを改めて確認させてくれた。


まとめ

  • 日経平均は銘柄数が少なく、構成の偏りが大きい
  • TOPIXは市場全体をカバーし、分散効果が高い
  • iDeCoのような長期積立は、分散性と安定性が重要

支店長の“自信満々な一言”は、投資家にとってはむしろ教材です。
「派手さに惑わされず、中身を見て選ぶ」——これこそが長期投資の本質です。

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