銀行パートの人間関係に悩む理由|いじめが起きやすい職場の“ちょっとした背景”

銀行員の本音

こんにちは、ワタナベミエです。
銀行の内部では、表面上は穏やかに見えても、パート同士のいじめや排除が静かに起きることがあります。
ただ、私が長年見てきた経験から言えるのは、「誰か1人が悪い」という単純な話ではないということです。

いじめられる新人パートにも背景があり、いじめる側と見られるベテランパートにも事情があります。そして、それを放置してきた管理職側にも責任があります。
本記事では、その“構造”を銀行員としての本音でひも解いていきます。

新人パートが標的になりやすい理由:銀行特有の難しさ

銀行の仕事は専門性が高く、未経験者がすぐに戦力になれないことが多いです。端末操作、帳票、現金管理、商品知識…。
覚えることが多く、最初の数か月は失敗が目立ちやすいのが実情です。

その結果、

  • 「仕事が遅い」
  • 「覚える気があるのか」
  • 「またミスしてる」

といった評価が先行し、周囲の不満が溜まりやすくなります。
とくに忙しい支店では、余裕がなく、サポートが後回しになりやすいことがあります。

ベテランパートが“いじめる側”に見える理由

いじめのように映る行動の裏側には、実は次のような心理や事情が潜んでいます。

①「現場を自分たちが回している」という責任感

多くの支店では、窓口や事務の大半をパートの人たちが支えています。
ベテランパートはその自負が強く、業務品質を守る意識が高いがゆえに、厳しい言動になってしまうことがあります。

②「ミスは支店全体の信用問題になる」というプレッシャー

新人のミスによって、顧客トラブルや現金差異が発生することもあります。
そのストレスが、強い口調や排他的態度となって出てしまう場合があります。

③ 本人は“いじめているつもりがない”ことも多い

「私だって最初は苦労した」「教える立場だからこそ厳しくしている」という認識の人も多いのです。
つまり、本人の中では「銀行のためにやっている」という意識があっても、周囲には“攻撃”として伝わってしまう構図があります。

管理職側にも責任がある:放置されてきた“構造の問題”

銀行の現場では、管理職がベテランパートに強く言えない状況が長年続いています。これは次の理由があります。

① パートの業務熟練度が高く、代わりがいない

窓口や事務処理はベテランパートの知識と経験に依存しているため、強く指導すると辞められてしまうという不安が管理職にはあります。

② 正職員が頻繁に異動し、現場を理解しきれていない

2〜3年で異動する職員に比べ、パートの人たちは同じ支店で長く働きます。
そのため、管理職が「実務の細部をパートに頼らざるを得ない」という構造ができてしまうのです。

③ トラブルを“職場内の感情問題”として矮小化しがち

本来、“人間関係の歪み”は業務品質にも影響します。しかし管理職の中には、
「パートさん同士の相性の問題」
「大人同士で解決してほしい」
と捉えて動かないケースも少なくありません。

こうして、ベテランパートの言動がエスカレートし、結果的に新人が辞めていく構造が続いてしまうのです。

三者それぞれの立場にある“本音”を理解する

新人パートの本音

  • 覚える量が多すぎて不安
  • 相談できる人がいない
  • 自分が“邪魔者”扱いされているように感じる

ベテランパートの本音

  • 毎日忙しくて新人指導に割く余裕がない
  • ミスが自分の負担になるのがつらい
  • 新人を助けたい気持ちはあるが、どう接すればいいか分からない

管理職の本音

  • パート間の関係に踏み込むのが難しい
  • ベテランが辞めると支店運営が回らなくなる
  • 片方のパートに注意して悪者になりたくない、“中立”でいたい

誰も悪意だけで動いているわけではなく、環境が人を追い詰め、歪みを生んでいると思うのです。

では、どうすればいじめ構造を断ち切れるのか

  • 管理職が「人間関係も業務品質」と捉え、積極的に介入する
  • 新人が安心して質問できる環境を整える
  • ベテランパートの負担を可視化し、適切に評価する
  • “できる人ほど孤立しやすい”構造を早期に把握する

銀行は人間関係が濃く、逃げ場の少ない職場です。
だからこそ、管理職も新人もベテランも、互いの立場を理解することが第一歩になります。

いじめは個人の問題ではなく、組織全体でつくられた課題です。
そういう視点を持つことで、職場の空気は確実に変わっていくと思うのです。

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